こんにちはベリオンです。
2011年にPSPソフトで発売された『ツインエンジェル ~時とセカイの迷宮~』がPC版に移植されRelight+になって2025年3月に新発売されました。
ツインエンジェルシリーズのファンとして、発売前から注目していた今作。
PSPでもプレイ済みでしたが実際にプレイしてみてどうだったのか、ネタバレ込みで感想を語っていきます!
◆ゲーム概要
- タイトル:ツインエンジェル ~時とセカイの迷宮~Relight+
- ジャンル:アドベンチャー
- 対応ハード:steam/ PC(dlsite)
- プレイ時間:20~30時間(筆者クリア時点)
キャラクター紹介
ツインエンジェル(現代)

言わずもがなツインエンジェルシリーズの主役の三人です。
レッドエンジェル/水無月 遥 CV: 田村 ゆかり
聖チェリーヌ学院の1年生椿組。15歳
イメージカラーは赤とオレンジ。オレンジ色の髪の一部を、黒いリボンで結っている。
ブルーエンジェル/神無月 葵 CV: 能登 麻美子
聖チェリーヌ学院の1年生椿組。15歳
イメージカラーは青で、遥とは対照的に、抜群のグラマラスボディを持つ美少女。
ホワイトエンジェル/葉月 クルミ CV: 釘宮 理恵
イメージカラーは白。11歳
イタリアの聖ベルナルディ学院初等科から飛び級で聖チェリーヌ学院に転入してきて、遥たちと同じクラスになる。
ツインファントム

テスラ・ヴァイオレット CV: 堀江 由衣
イメージカラーは紫。ナインの双子の姉。15歳
11年前に両親を亡くし、ブラックトレーダーを「お父様」と呼び、妹のナインと共に「ツインファントム」としてツインエンジェルとの勝負に挑む。
後にツインエンジェルと和解をし、協力するようになる。
ナイン・ヴァイオレット CV: 柚木 涼香
イメージカラーは緑。テスラの双子の妹。15歳
テスラと共にブラックトレーダーの命令に従い、ツインファントムとしてツインエンジェルと対決する。
そのあと協力するようになる。
ツインエンジェル(11年前)

プラチナエンジェル/マッティーア・アプリーレ CV: 沢城 みゆき
愛称は「ティア」
イタリアの名門アプリーレ家の分家出身の少女。
留学生として聖チェリーヌ学院に在籍し、つかさの家に居候している。
「プラチナエンジェル」に変身し、つかさと共にツインエンジェルとして葵達がツインエンジェルになるまでの代役をしている。

ホワイトエンジェル/葉月 つかさ CV: 川澄 綾子
葉月クルミのおば。オスカー・ヴァイオレットの弟子。
飛び級で大学院を卒業した天才で、聖チェリーヌ学院の臨時講師の傍ら「聖杯のカケラ」の研究をしている科学者。「天ノ遣」である「ホワイトエンジェル」として活動し、2丁拳銃を武器としている。
現代から11年前に謎の事故で死去

その他
如月 唯人 CV: 檜山 修之
聖チェリーヌ学院の生徒会長で、ミスティナイトに変身して、ツインエンジェル共に戦う。
ブラックトレーダー CV: 小山 力也
ブラックファンドの首領。テスラとナインの育ての親。聖杯のカケラを狙う悪党
今作ではツインエンジェルから聖杯時計を奪おうとたくらむ
オスカー・ヴァイオレット CV: 神谷 浩史
テスラとナインの実の親。ブラックトレーダーの弟子。
「聖杯のカケラ」の研究の第一人者で、知識や技術はブラックトレーダーを凌いでいた。
11年前に「聖杯のカケラ」の研究を進め、その内容が明らかになる前に火災事故に巻き込まれ死去。
長月 平之丞 CV: 清川 元夢
神無月家に仕える葵専用の執事。
ツインエンジェルの活動をあらゆる形でサポートする。
西条 女史 CV: 浅川 悠
遥と葵のクラス担任
ネルソン CV: 茶風林
ヴァイオレット家に飼われている老描。人間の言葉を介することができる。
ブラックディーラー CV:???
ダークロマイアの幹部。ブラックトレーダーの後釜として派遣された。
ジュデッカ CV:???
イタリアから聖チェリーヌ学院に派遣された司祭
評価
◆良かった点
●ストーリーの魅力
11年前におこった3つの謎の事件を、時空を超えてその事件の謎が明かされる。
11年前に飛ばされたツインエンジェル達は、タイムパラドックスに気を使いながら、事件がおきないようにするが、どう転んでも歴史が変わらないようにするのは不可能だと思い知り、各々の無力さを痛感させられたり、信じる絆の大切さを教えられる最高のストーリー
●ゲームシステム
シナリオ進行中、主人公を「遥」と「葵」のどちらにするかプレイヤーが選択することで、
物語の展開が変化します。
いずれかのルートをクリアすることで、「テスラ」を主人公とする新たなルートや、
「クルミ」視点の物語がプレイ可能となり、真のエンディングを見ることができます。
●グラフィック&演出
1920×1080ピクセルのフルHD画面に対応しています。
より鮮明になった立ち絵・スチルにあわせて、
そのほか演出・効果音についてもリメイク調整をしてるみたいです。
PSPプレイ済みの自分にはオリジナル版に搭載されていた戦闘パート(スロットバトル)をカットされてたのが、ストレスフリーで楽しめてよかったです。
◆気になった点
- キャラクターボイスが未搭載となっていて、DLCを買わないとフルボイスとならないところ。
まぁ元々はCVなしで発売する予定を、クラファンで資金調達してフルボイス化してくれたので、文句はいえないですが・・・ - いくつかテキストとボイスが違う箇所があったりした。(いつかアプデで修正されると思われる)
◆クリア後の感想(ネタバレなし)
取り戻したばかりの秘宝「天使の涙」が再び盗まれてしまうところから物語は始まります。
事件を解決したお礼として、遥たちが手にしたのは「聖杯時計」という時を操る力を持つ謎のアイテム。
この聖杯時計をきっかけに、物語は「11年前」という過去と深くつながっていくことになります。
11年前に起こった、さまざまな悲劇と出来事。
それらをめぐって、11年前に飛ばされたツインエンジェルたちは「過去」と「未来」の間で大きな選択を迫られます。

これ以上はぜひプレイして確かめてほしいのですが、少なくとも5回以上は泣ける展開がありました。
- 仲間たちのすれ違いと、そこから生まれる絆
- 過去の自分との向き合い
- 大切な人との最後の時間
- 受け入れなければならない「未来」
- 真のエンディングに待つ、希望のメッセージ
単なる「過去改変もの」ではなく、「過去をどう受け止め、未来へ進むか」がテーマになっていて、すごく心に刺さる作品でした。
しかも、重いテーマだけではなく合間にギャグや明るい日常も挟まれるので、最後まで楽しくプレイできるのも魅力です!
◆まとめ
総合評価:★★★★★(4.9/5)
シリーズファンには間違いなくオススメの一本!
ストーリー・演出・システムともに満足度が高く、
ツインエンジェルというコンテンツの懐の深さを再認識させてくれた作品でした。
ちなみに、元は2011年の作品を移植したものなので、キャラデザインは少し古めですが、
シナリオはKey作品レベルに泣ける出来です。
感動系ストーリーが好きな人にはぜひプレイしてほしい、心からそう思える一作でした。
クリア後の感想(ネタバレあり)
ここから先はネタバレありになるので、注意してください。
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まずは遥、葵、くるみと、テスラのすれ違いが本当に切なかったです。
お互いが気を遣いすぎて、本音を言えず、疑心から距離が生まれていく――その姿は見ていて胸が締め付けられました。


他には11年前の、まだツインエンジェルになる前の子供・遥と葵。両親を亡くし心を完全に閉ざした子供の遥を救うため、未来から来た遥と葵が、子供時代の自分たちを説得に向かいます。
タイムパラドックスを避けるため、未来の遥が子供の葵を、未来の葵が子供の遥を励まし、それぞれに希望を与えるという演出がとても丁寧で美しかったです。
このやり取りを通じて、無事に過去の2人は「天ノ遣」として目覚めることになるのですが──
その裏には、大人たちの都合で「早急に遥と葵がツインエンジェルにならなければ「天ノ遣」の資格がアプリーレ家にうつる」という事情があり、その事実を後に知った遥が、葵に対して疑念を抱いてしまいます。
しかし、子供時代の自分たちの姿を思い出すことで、改めてお互いの信頼と友情を確認し、絆をより深めていく展開が本当に熱くて泣けました。

また、親の記憶がほとんどないテスラとナインが、11年前にタイムリープして死んだはずの両親と再会するシーン。
そして別れのシーンでは挿入歌の「アヴニール」が流れるのは反則級でした。

たとえタイムパラドックスが起ころうとも「今度こそ助けたい」と願うふたりの葛藤は本当に辛かったです。
「親が死ななければ、私たちは悪の道に進まずに済んだかもしれない」
でも――「積み重ねてきた過去を否定することは、自分自身の存在を否定することになる」。
このセリフは心に刺さりました。


さらに衝撃だったのが、つかさのエピソード。
自分たちを助けるために犠牲になっていたこと、そして最期の瞬間、ずっと隠していたくるみの身元が実はバレていて、本当の名前で呼びかけられるシーンは、涙が止まりませんでした。
最後のつかさとくるみのシーンは反則級でした。

現代に戻ってからのティアの描写も印象的でした。
11年前に取り残され、逆恨みやすれ違いから非行に走ってしまった彼女の姿には、怒りよりも同情が先に来てしまうほどでした。
本当はずっと寂しくて、誰かに認めてほしかったんだと思うと、こちらも自然と涙が出ました。

そしてラスト付近のツインエンジェルとツインファントムの絆のシーンも忘れられません。
ようやく生まれた「最大の絆」を前にして、力の使いすぎにより“その絆の記憶を失う”か、“遥を助ける”かの二択を迫られたテスラ。
迷いなく遥を助ける道を選んだ彼女の覚悟には心を打たれました。

結果的に、仲直りして絆が深まるという大切な出来事をテスラとナインだけが忘れてしまうのはあまりにも切ない。
しかもせっかくの親のオスカーとの思い出も忘れてしまう。
でもその出来事を忘れてしまっても、呼び方が「水無月さん」から「遥さん」へと変わったままだったのが本当にエモかったです。
記憶には残っていなくても、心に残っていたという演出にグッときました。
作品全体として、「過去を変えること」に焦点を当てながらも、最終的には「未来をどう生きるか」に帰結するテーマが素晴らしかったです。
最後はしっかりハッピーエンドで締めてくれるのも良かったです。
この展開はまったく予想していなかったので、「ここまで計算して作られていたのか…!」と感動。
このシナリオを書いた人は本当に天才だと思いました。
ここに書いてあるのが全てではないので、気になった方はぜひプレーしてみてください。


このつかさのセリフはガチで名言だと思う。
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